糸リフトは、特殊な糸によって皮膚を引き上げることにより、肌のリフトアップを行う美容施術です。
糸リフトを行う際には、挿入する糸の本数を決める必要がありますが、自分には何本が適切なのか分からずお困りの方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、糸リフトの効果を得るために必要な本数を肌悩み別に解説します。
糸リフトの施術を検討している方や、挿入する糸の本数でお悩みの方はぜひ、本記事を参考にしてください。
糸リフトとは
糸リフトとは、特殊な糸を皮膚に挿入して肌を引き上げる美容施術です。
糸リフトを行うと、次のような効果が期待できます。
- たるみの改善
- しわの改善
- フェイスラインのもたつき改善
- 肌のハリツヤの向上
糸リフトは、特にたるみの改善に効果的な施術です。
従来、加齢などが原因で起こるたるみを改善するには、外科手術であるフェイスリフトを行う必要がありました。
しかし、糸リフトはフェイスリフトのようにメスを入れなくてもたるみをリフトアップできるため、リスクやダウンタイムを抑えたたるみ治療として人気を集めています。
また、糸を挿入する過程でコラーゲンなどの美肌成分の生成が促されるため、肌のハリツヤやうるおいをアップさせることも可能です。
糸リフトに使用する糸には、主に「溶ける糸」と「溶けない糸」の2種類があります。
それぞれの特徴は下記のとおりです。
溶ける糸 | 溶けない糸 | |
---|---|---|
特徴 | 溶けて体内に吸収される | 溶けずに体内で残り続ける |
主な糸の素材 | ・ポリジオキサノン(PDO) ・ポリカプロラクトン(PCL) ・ポリ乳酸(PLA) | ・ポリプロピレン ・ポリエステル |
メリット | ・感染症のリスクが少ない ・何度も施術できる | ・効果の持続期間が長い傾向にある ・たるみをしっかり持ち上げられる |
デメリット | 糸の種類によっては効果の持続期間が短い | ・感染症のリスクが溶ける糸に比べると高い ・レーザー治療ができなくなる場合がある |
糸リフトの施術を検討する際は、糸の本数はもちろん、溶ける糸と溶けない糸のどちらを使用するかも考える必要があります。
糸リフトの効果を得るために必要な本数は?
せっかく糸リフトの施術を受けるなら、しっかりと効果を得たいものです。
しかし、糸リフトの平均本数は何本なのか、必要な本数をどうやって決めれば良いかなどが分からない方もいるでしょう。
ここでは、糸リフトの効果を得るために必要な糸の本数や、何本必要かを判断する基準について解説します。
糸リフトの必要本数は人によって異なる
糸リフトを行う際の平均本数は、左右合わせて4~12本程度とされています。
ただし、糸リフトを行うにあたり「〇本入れると必ず効果が得られる!」といった明確な本数はありません。
糸リフトの効果を得るために必要な本数は、人によって異なります。
そのため、糸リフトを片側1本、両側で計2本入れて効果が出る方もいれば、片側3本、計6本を入れても効果があまり感じられないという方もいます。
なぜなら、骨格や顔の脂肪、悩みの程度などによって必要となる糸の本数が異なるためです。
糸リフトで効果を得るためには、自身の肌の状態や希望する仕上がりなどに合わせて、医師としっかり相談した上で本数を決める必要があります。
糸リフトの本数を決める基準
糸リフトの本数を決める際は、次のような点を基準にしましょう。
- 糸リフトを行う目的
- 改善したい症状の程度
- クリニックで取り扱っている糸の種類
それぞれの基準について解説します。
糸リフトを行う目的
まずは、自分にどのような悩みがあり、どのような効果を得たいのかといった糸リフトを行う目的を明確にしておきましょう。
例えば、肌のたるみもと二重あごを改善したいのであれば、1本の糸では悩みをカバーしきれません。
そのため、肌の悩みが複数個所ある方は、必然的に糸の本数が多くなるといえます。
改善したい範囲や程度にもよりますが、基本的に1方向につき1~3本程度の糸を挿入する必要があると考えておきましょう。
肌のたるみと二重あごの両方を改善したいのであれば、最低でも左右合わせて4方向、4~12本の糸が必要になります。
改善したい症状の程度
たるみやフェイスラインのもたつきなど、改善したい症状がどの程度のものなのかも、糸の本数を決める上では大切な要素です。
「肌のたるみを改善するだけなら、1本でも十分なのでは?」と考える方もいるかもしれません。
しかし、たるみが強い場合はその分強く引っ張る必要があるため、1本では部分的に引きつったような仕上がりになる可能性があります。
自然にたるみの改善やフェイスラインをすっきりさせるためには、症状の程度に合わせて糸の本数を増やす必要があるといえるでしょう。
取り扱っている糸の種類
糸の種類によっても、必要な本数は異なります。
糸リフトで使用される主な糸の種類と特徴は、次のとおりです。
糸の種類 | 強度 | リフトアップ力 | 使用される糸リフト |
---|---|---|---|
ポリジオキサノン(PDO) | 中 | 中 | テスリフト、トゥインクルリフト |
ポリプロピレン(PP) | 大 | 大 | シルエットリフト、ミラクルリフト |
ポリカプロラクトン(PCL) | 小 | 大 | トゥインクルリフト、VOVリフト |
ポリ乳酸(PLA/PLLA) | 大 | 大 | Zリフト、コラーゲンリフト |
リフトアップ力が高い糸は少ない本数でも効果が期待できますが、本数が少なすぎると引きつったような見た目になり、逆に多すぎると効果が出すぎて不自然になる可能性があります。
また、強度が高いものは糸が頑丈である一方、挿入時に肌が傷つく可能性があるため、ダウンタイムが長くなる傾向にあることに注意が必要です。
【お悩み別】糸リフトに必要な糸の本数
糸リフトを行う目的として多いのが、次のような肌の悩みです。
- ほうれい線
- たるみによるフェイスラインのもたつき
- 二重あご
ここでは、上記の悩み別に必要となる糸の本数の目安を解説します。
ほうれい線の改善
ほうれい線の改善を目的とした糸リフトの本数は片側3本、左右あわせて6本が目安です。
ほうれい線を1本の糸のみで引っ張ると、不自然につり上がって引きつった表情になる可能性があります。
ほうれい線に3本の糸を挿入してこめかみ方向に引っ張ると、自然にほうれい線を改善できるでしょう。
フェイスラインの改善
加齢によるたるみなどでフェイスラインのもたつきが気になる場合は、片側3本、左右あわせて6本の糸を挿入するのがおすすめです。
たるみの程度にもよりますが、1本の糸だけでたるみを引き上げるのには限界があります。
無理に引き上げると引きつったような不自然な仕上がりになる可能性もあるため、片側3本の糸でしっかりとたるみを引き上げることで、美しい仕上がりが期待できるでしょう。
ほうれい線とフェイスラインの両方
ほうれい線とフェイスラインの両方が気になる場合は、2箇所の合計である片側6本~、左右あわせて12本~が必要本数の目安となります。
気になる箇所が複数ある場合、1箇所よりもバランスを取るのが難しくなるため、糸の本数は増える傾向にあるといえるでしょう。
そのため、左右あわせて12本で満足のいく仕上がりになる方もいれば、引き上げる力が足りなかったり、不自然な仕上がりになったりする方もいます。
より自然に顔全体を引き上げたい場合は、左右合わせて12本以上を挿入するのがおすすめです。
二重あご(顎下)
顎下をリフトアップさせて二重あごを改善する場合、必要な糸の本数は2~3本が目安とされています。
二重あごの程度によっては1本で効果が得られることもありますが、正面だけでなく、横顔もすっきりさせるのであれば、2~3本を挿入するのがおすすめ。
どの方向から見ても美しいフェイスラインの実現のために必要な本数はどのくらいか、医師と相談してみましょう。
糸リフトの本数についてのよくある質問
ここでは、糸リフトの本数についてのよくある質問を紹介します。
糸リフトの本数は多ければ多いほどいい?
糸の本数は多ければ多いほど良いというものではありません。
必要以上に糸が多いと引き上げる力が強すぎて引きつった仕上がりになり、逆に少なすぎると部分的に引き上げられて不自然な仕上がりになる可能性があります。
そのため、糸リフトを行う際は、悩みや肌の状態に合わせて適切な本数の糸を挿入することが大切です。
また、必要以上に糸を増やすと感染症のリスクや肌へのダメージも高まるため、必要な数を挿入しましょう。
糸リフト後に糸を追加することは可能?
「糸リフトを受けたものの、もう少し理想に近づけたい」などの要望があれば、糸の追加が可能です。
施術直後は仕上がりに満足していたけれど、腫れや内出血が治まると糸を追加したくなったという場合もあるため、担当の医師に相談してみましょう。
今泉スキンクリニックには1本からできる糸リフトのメニューが多数あるため、糸リフト後に追加したい場合は、希望の仕上がりにあわせて1本ずつ糸を追加できます。
糸リフトの必要本数は年齢によっても変わりますか?
糸リフトに必要な本数は、年齢を重ねるごとに増える傾向にあります。
なぜなら、年齢と共にたるみやしわなどの肌トラブルが増加し、程度も大きくなる傾向にあるためです。
ただし、「50代が糸リフトをするなら平均で何本必要」といった明確な基準があるわけではありません。
50代や60代の方でも少ない本数で効果が得られる場合があり、若い人でも理想とする仕上がりによっては本数を増やす必要があるため、あくまで参考程度にしてください。
まとめ
本記事では、糸リフトの効果を得るために必要な糸の本数について解説しました。
糸リフトの平均本数は左右あわせて4~12本程度とされていますが、この本数はあくまで目安です。
糸リフトに必要な本数は人によって異なるため、糸を何本にするか迷った際は以下の点を基準にすると良いでしょう。
- 糸リフトを行う目的
- 改善したい症状の程度
- クリニックで取り扱っている糸の種類
本数は多ければ多いほど良いということでもないため、信頼できる医師とよく相談して、自分に必要な本数を挿入することが大切です。
今泉スキンクリニックで取り扱っている糸リフトは、1本ずつ本数を追加できます。
一人ひとりの骨格や肌の悩みに合わせた「オーダーメイドリフト」も行っているため、自分に必要な本数が分からない方や、糸リフトの本数でお悩みの方はぜひ、当クリニックにご相談ください。