「シワやたるみなど複数の症状を治療したい」「ボトックス治療とレーザー治療を両方受けたい」と思っている人は多いでしょう。いろいろな肌トラブルを治療するために、複数の治療を組み合わせることも有効です。
ボトックスとレーザー治療は、併用して受けられます。しかし、治療の間隔をきちんと空けないと、肌トラブルが起こるリスクもあるのです。
このコラムでは、ボトックスとレーザー治療の両方を受けるためにおすすめの順番や、他の治療法との適切な治療間隔について紹介します。複数の治療を受けてみたい人は、ぜひ最後までお読みください。
ボトックスとは
ボトックスとは、ボツリヌス菌から抽出した成分を含む薬剤を肌に注入する治療法です。この成分には、筋肉の動きを抑制する効果が期待できます。
そのため、表情筋が原因で目立つシワを目立ちにくくする効果が期待できるでしょう。
施術時間も短く、ダウンタイムもレーザー治療などと比較すると短いため、人気のある治療法です。
使用する薬剤は厚生省から承認を受けた「ボトックスビスタ」の他、韓国や中国などから輸入したものがあります。
費用や効果を得られる期間などに違いがあるため、カウンセリングで納得した上で選ぶようにしましょう。
ボトックスに期待できる効果
ボトックス治療で改善が期待できるのは、以下の症状です。
- 表情ジワの改善(額・眉間・目尻など)
- エラの改善
- 多汗症
- ふくらはぎを細くする
- 肩こり解消
ボトックスには筋肉の動きを抑制する効果があるため、表情ジワによる額や眉間、目尻などのシワや、筋肉が発達してエラやふくらはぎが目立つ人のフェイスラインをほっそり見せる効果が期待できます。
また、汗腺に関わる自律神経に作用して汗の分泌を押さえたり、肩の過緊張を取り除いて肩こりを楽にしたりなど、さまざまな治療で活用されている薬剤です。
美容レーザーの種類とは
美容レーザーとは、レーザーの光熱作用を利用して、シミやたるみなどの改善を目指す治療法です。
レーザーにはいろいろな種類があり、レーザーが出す波長や、得られる効果が異なります。気になる症状に合わせて、適したレーザーを選びましょう。
ここでは、美容レーザーの主な種類について、特徴や得られる効果を紹介します。
Qスイッチヤグレーザー
Qスイッチヤグレーザーは、2つの波長を使い分けて、シミ・ほくろ・そばかすなどのピンポイントの症状を治療できるレーザー治療です。
ごく短い時間レーザー光を気になるシミに照射することで、特定の光に反応して色素を破壊します。
シミやそばかすといった浅い層にある色素沈着から、皮膚の深い層にある色素沈着の除去も期待できます。
フラクショナルレーザー
フラクショナルレーザーは、マイクロドット状にレーザーを照射し、小さな穴を空ける治療法です。
肌に熱ダメージを与えることで肌の自己回復力を促し、肌の再生やターンオーバーの促進。
これによってコラーゲンやエラスチンなどの美容成分の生成が進むため、肌のハリのアップやニキビ跡、シワやたるみなどの改善効果が期待できるでしょう。
ピコレーザー
ピコレーザーは、シミや肝斑除去効果が期待できる治療法です。照射時間の短いレーザーを当てることで、メラニン色素を破壊します。
ピコレーザーには、「ピコトーニング」「ピコフラクショナル」「ピコスポット」の3つの照射モードがあります。
それぞれ期待できる効果が異なり、ピコトーニングなら肝斑、ピコフラクショナルならニキビ・ニキビ跡など、照射モードを使い分けることで、一人一人の肌悩みに合わせた治療が可能です。
レーザートーニング
レーザートーニングは、Qスイッチヤグレーザーの一種です。
弱いパワーで照射することでメラノサイトを刺激せず、シミを徐々に薄くする効果が期待できます。
肌のトーンアップや毛穴の開き・黒ずみなどに向いている治療法です。
ボトックスとレーザーの間隔
ボトックスとレーザー治療を併用して受ける場合、治療間隔に気をつける必要があります。
適切な間隔を守らない場合、効果を感じられなかったり、肌に悪影響が起こったりする可能性があるのです。
2つの治療の適切な治療間隔について、詳しく見ていきましょう。
ボトックスを先に打った場合
ボトックスを先に打つ場合は、治療間隔を2週間程度空けましょう。
ボトックスはダウンタイムの比較的少ない治療ですが、針で薬剤を注入する治療法のため、注射跡や内出血が多少残る可能性があります。
その場所にレーザーを当てると、レーザーが色素に反応して火傷を引き起こすリスクがあるのです。
また、ボトックス注射に使われる薬剤は、熱に弱い性質があります。
ボトックスの効果を得るためにも、熱による治療が必要なものは、1〜2週間程度間隔を空けて治療を受けると良いでしょう。
施術の種類や肌の状態によっても適切な治療間隔は変わるため、組み合わせて治療する場合は事前に医師に相談しておくといいですよ。
レーザーを先に打った場合
レーザーを先に打った場合は、間隔をあけずにボトックス治療を受けられます。ボトックスとレーザーを同時に受けることも可能です。
ただし、レーザーによってかさぶたができてしまった場合、ボトックス注射がしづらくなる可能性があります。
治療におすすめの順番
ボトックスとレーザー治療のどちらも受ける場合は、レーザー治療を先に受けるのがおすすめです。
レーザー治療が先であれば、効果が得られにくくなったり、症状が悪化したりといったリスクを避けられます。
レーザーの種類や設定によっては肌に与える影響が異なるため、複数の治療を受ける際は、必ず医師に相談するようにしてください。
他の治療法とボトックスの適切な間隔
ボトックス治療に使われる薬剤は、熱に弱い特性があります。
そのため、熱を発する機械を用いた治療を受けると、薬剤の効果を充分に得られない可能性があるでしょう。
下記の治療と併用する際は、1〜2週間間隔を空ける必要があります。
治療名 | 特徴 |
---|---|
フォトフェイシャル | ・顔全体に光を当てることでメラニンにダメージを与えたり、コラーゲンの合成を活性化させる効果が期待できる シミ、そばかす、くすみなどの症状に有効 |
RF | ・高周波エネルギーを照射して、真皮層に熱を与え、肌の引き締めやシワの改善を目指す |
HIFU | ・皮膚の奥にあるSMAS筋膜に高密度焦点式超音波を当て、熱で引き締める ・フェイスラインのたるみやほうれい線に対しての治療に向いている |
ボトックスの後にピーリングやマッサージピールを受ける場合も、2週間ほど空けて受けるのがおすすめです。
反対に、ピーリングやマッサージピールの後にボトックスという順番であれば同日に受けられるケースも。
他の治療とボトックス治療を組み合わせる場合は、必ず医師に相談しましょう。
ボトックスのダウンタイム中にしてはいけないこと
ボトックス治療後にダウンタイムの症状が長引くと、なかなか他の治療を受けられなくなってしまいます。
ダウンタイム中の症状を早く落ち着かせるためには、クリニックから言われた注意点を守らなければいけません。
ボトックス治療のダウンタイム中の過ごし方について、詳しく説明します。
激しい運動を避ける
体温が上がる行動は、治療後3日程度避けるようにしましょう。
ボトックス治療に使用される薬剤は、熱によって変質したり不活性化したりする性質があります。
そのため、運動などで体温が上がると、治療の効果を充分に得られない可能性があるでしょう。
施術後すぐに横にならない
ボトックスの治療後すぐに横になると、薬剤が正しい位置に定着せず、他の部位に流れてしまう可能性があります。
薬剤が流れると効果が得られにくくなるため、治療後は椅子に座るなどして、安静に過ごすように気をつけましょう。
飲酒を控える
飲酒も血行を促進し、体温を上げてしまうため、治療後は避けるようにしましょう。
また、アルコールには血管を拡張する効果もあるため、薬剤が流れやすくなってしまいます。
打った場所に定着せずに広がってしまう可能性もあるため、飲酒は控えたほうが良いでしょう。
患部をマッサージしない
治療後1週間程度は、患部をマッサージするのはやめましょう。患部を触ると薬剤が他の部分に流れてしまう可能性があります。
薬剤が広がると効果が薄れたり、必要ない筋肉まで動きが抑制されてしまい、治療効果に満足できない可能性があります。
治療部位はできるだけ触らないように気をつけましょう。
長時間の入浴やサウナ
ボトックスの治療当日に、長風呂やサウナに入るのはやめましょう。
血行が促進されるため、患部が内出血を起こしたり、腫れが生じたりする可能性があります。
治療当日は湯船に入るのは控えて、ぬるま湯のシャワーを浴びる程度にしておくと良いでしょう。
ボトックスとレーザー治療で失敗しないためのポイント
ボトックス治療とレーザー治療を併用する際は、適切な治療タイミングを見極めなければいけません。
治療のタイミングについては、信頼できる医師に相談することが大切です。安心して任せられるクリニックや医師を見つけ、治療を失敗しないためのポイントを紹介します。
美容クリニックや医師は入念にリサーチして決める
美容クリニックと医師は、慎重に決める必要があります。
ボトックスやレーザー治療は様々な美容クリニックで採用されている治療法ですが、クリニックによって得意な治療は異なります。
ボトックスを受ける際は、ボトックスの経験が豊富な医師を選ぶと、失敗のリスクを下げられるでしょう。
クリニックのホームページを読んだりカウンセリングに行ったりして、自分に合ったクリニックを選んでみてください。
仕上がりのイメージを医師と話し合う
仕上がりのイメージを医師とよく話して確認すると、治療後に後悔する可能性を下げられます。また、ダウンタイム中に出やすい症状や期間を確認しておくことも大切です。
治療のリスクや副作用なども詳しく教えてくれる医師であれば、安心してお願いできるでしょう。
まとめ
ボトックスとレーザー治療は、併用して受けられます。ただし、治療を受ける順番には注意が必要です。ボトックスを受けてからレーザーを受けると、内出血や注射跡が残っていた場合に火傷の症状が起こる可能性があります。
そのため、レーザー治療を受けてからボトックス治療を受けるのがおすすめです。
今泉スキンクリニックでは、認定指導医の資格を持つ院長を中心に、患者さんの希望に合わせた治療を提案しています。
複数の治療を受けたい人に向けて、組み合わせ方や治療間隔のアドバイスも行っているので、ぜひお気軽にご相談ください。