
ボトックス注射はシワやたるみ、エラ張りといったお悩みを改善する美容施術の一種です。
ボトックス注射は時間の経過とともに徐々に効果が薄れてくるため、効果を維持するためには定期的な施術が必要となります。
しかし長期間ボトックス注射をし続けることで、体に何らかの悪影響が出るのではないかと心配になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ボトックス注射を打ち続けた場合の体への影響について解説します。
ボトックス注射の適切な治療頻度や打ち続ける場合のポイントなどもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。
ボトックス注射とは

ボトックス注射はアメリカのアラガン社の商品名で、A型ボツリヌス毒素が主な成分です。
A型ボツリヌス毒素は、ボツリヌス菌によって作り出される天然のたんぱく質で筋肉の収縮を弱める作用があります。
この作用を使用した美容施術は世界的に人気で、全世界で年間460万人もの人がボトックス注射を受けていると言われています。
ここではボトックス注射の安全性や効果発現までにかかる時間、効果の持続時間などについて解説しましょう。
ボトックス注射の安全性
ボツリヌス菌には毒性がありますが、ボトックス注射で使用する製剤にボツリヌス菌そのものが含まれているわけではありません。
また、ボトックス注射に使う製剤は人体への悪影響が出ないよう調整・加工されています。
またボトックス注射はアラガン社製の『ボトックスビスタ』を指すことが多いですが、このボトックスビスタはFDA(米国食品医薬品局)により安全性が認められています。
効果の発現までにかかる時間
ボトックス注射は打った直後に効果が現れるわけでなく、効果の発現までに2〜3日程度の時間がかかります。
施術2〜3日後から徐々に効果が現れ始め、1〜2週間程度かけて自然な仕上がりになっていくのが特徴です。
またボトックス注射にはさまざまな効果があり、治療目的や施術部位によっては効果が現れるまでに時間がかかる場合もあります。
例えば多汗症やワキガの治療を目的とする場合、効果の発現までに2週間程度時間がかかってしまう場合もあります。
体質による個人差もあるため、あくまでも目安程度に考えておくとよいでしょう。
効果の持続期間
ボトックス注射の効果の持続時間は、施術内容や体質などにより個人差がありますが、一般的に3〜6か月程度です。
効果が切れてくると、徐々に施術前の元の肌の状態に戻っていきます。
ボトックス注射の効果を持続させたい方は、効果が切れてしまう前に再度施術を受けましょう。
ボトックス注射でできること

ボトックス注射でできることとして、以下のようなものが挙げられます。
- フェイスラインのリフトアップ
- エラの張りの軽減
- 表情ジワの改善
- 人中短縮
- ガミースマイルの改善
- 口角を上げる
- 毛穴開きの改善
- 多汗症やワキガの治療
- 部分痩せ
ここでは上記についてそれぞれ解説します。
フェイスラインのリフトアップ
ボトックス注射では、フェイスラインのリフトアップができます。
首の前面にある広頚筋が下方向に収縮すると頬が下向きに引っ張られ、フェイスラインたるみの原因となります。
ボトックス注射で筋肉の収縮を抑えることにより、広頚筋が原因によるフェイスラインのたるみを改善できるのです。
ただしフェイスラインのたるみが広頚筋の収縮ではなく、肌の老化によって起きている場合は、ボトックス注射で改善がみられない可能性があるため注意しなくてはいけません。
ボトックス注射の効果には個人差があるため、高い技術と経験を持つ医師に相談して検討してみましょう。
エラの張りの軽減
ボトックス注射をすることでエラの張りを軽減させることが可能です。
エラが張ってしまう原因は骨格と筋肉の2つありますが、咬筋の発達が原因で起きている場合が多くみられます。
咬筋は物を噛むときに使う筋肉で、歯ぎしりや食いしばり、歯並び、かみ合わせの悪さなどさまざまな原因で無意識のうちに鍛えられ、エラが目立つ原因となるのです。
ボトックス注射をすることで咬筋の収縮が緩められ、エラの張りが軽減されます。
表情ジワの改善
眉間や目尻にできる表情ジワもボトックス注射で改善可能です。
表情ジワにボトックス注射をすると、3日から1週間程度で効果を実感でき、新しいシワを予防する効果も期待できます。
ただし表情ジワにボトックスを打つ際は、注入量に注意が必要です。
注入量が多すぎると表情が硬くなってしまうことがあるため、医師と相談しながら適量を打つようにしましょう。
人中短縮
ボトックス注射は人中を短くすることも可能です。
上唇の上にボトックス注射をすることで、筋肉の働きが弱まり、上唇が上向きになります。
これによって人中が短くなったように見えるのです。
人中を短くするためにはメスで切除する方法もありますが、メスを入れるのが怖い方はボトックス注射を検討してみるとよいでしょう。
ガミースマイルの改善
ボトックス注射はガミースマイルを改善することもできます。
ガミースマイルは笑ったときに歯茎が見える状態のことで、人によってはコンプレックスに感じてしまう場合もあります。
ガミースマイルの原因は歯の生えている位置や上顎骨の過剰な発達、上唇を上げる上唇挙筋の発達、遺伝的な要素などさまざまです。
上唇挙筋が原因の場合は、ボトックス注射をすることで筋肉の働きを弱め、歯茎の露出を抑えられます。
ガミースマイルの改善にボトックス注射が適しているかどうかは個人差があるため、医師と相談して検討してみるとよいでしょう。
口角を上げる
口角が下がっていると不機嫌な印象や老けている印象になってしまいます。
口角下制筋という筋肉にボトックス注射をすることで、口角を下に引っ張る力を抑え、口角が下がってしまうのを防ぐことが可能です。
筋肉が原因で口角が下がっている場合には効果が期待できますが、肌のたるみが原因の場合はあまり効果がみられない可能性もあるため注意が必要です。
毛穴開きの改善
ボトックス注射は毛穴開きの改善にも効果が期待できます。
毛穴開きの根本的な原因として、皮脂の過剰分泌が挙げられます。過剰に皮脂が分泌されることで毛穴が詰まり、毛穴開きの原因となるのです。
真皮にボトックス注射をすることで皮脂の分泌量を抑え、毛穴開きの予防効果が期待できます。
多汗症やワキガの治療
多汗症やワキガの治療にもボトックス注射が効果的です。
汗の分泌を促す神経伝達物質のアセチルコリンをボトックスによって阻害することで、発汗を抑え、症状を和らげられます。
多汗症やワキガでお悩みの方は治療を検討してみるとよいでしょう。
部分痩せ
ボトックス注射を利用して部分痩せを目指すこともできます。
ボトックス注射をすると筋肉の働きが弱まり、使っていない筋肉は徐々に細くなっていきます。
これを専門用語で廃用性萎縮といい、この原理を応用することで肩痩せや腕痩せ、脚痩せなどを目指すことが可能です。
ボトックス注射を打ち続けるとどうなる?

ボトックス注射を打ち続けるとどのような影響があるのでしょうか。
ここではボトックス注射を打ち続けたときの影響や注意点について解説します。
基本的に人体に悪影響はない
ボトックス注射は基本的に人体に悪影響はないため、正しく使用すれば打ち続けても問題はありません。
継続的に打ち続けることによって作用が強まったり成分が体内に蓄積したりすることもないため、基本的には人体へのリスクはないと考えてよいでしょう。
またボトックス注射の効果は永続的ではなく、一定期間で治療効果が徐々に薄れていきます。
治療効果を持続させるためには、継続してボトックス注射を打つ必要があることを理解しておきましょう。
一度に打つ量には注意が必要
ボトックス注射は一度に打つ量に注意が必要で、過度に注入すると筋肉の働きが阻害されてしまう原因になります。
例えば表情筋が固まって表情が不自然になったり、思うように体が動かせなくなったりしてしまう場合があるのです。
このような事態を防ぐためには、高い技術と経験を持つ医師に相談し、適量を注入してもらう必要があります。
ボトックス注射の治療頻度の目安
ボトックス注射の治療頻度の目安は、注入する部位や治療目的によって異なります。
例えばエラ張りを改善するためにボトックス注射をする場合は、3~4か月程度効果が持続するため、その期間内に再度施術を受けるとよいでしょう。
一般的には3~6か月に1回の頻度と言われていますが、注入部位や注入量、個人の代謝などの個人差があるため、医師と相談のうえで検討してみてください。
ボトックス注射をやめたときの影響は?

ボトックス注射をやめると、時間の経過とともに徐々に効果が薄れていき、元の状態に戻っていきます。
このとき、ボトックス注射をやめたからといって何か悪い影響が出るわけではありません。
ただし、治療後の状態を維持したい場合は、効果が消えてしまう前に追加で治療を行う必要があります。
安全にボトックス注射を打ち続けるためのポイント

安全にボトックス注射を打ち続けるためのポイントとして、以下の3つが挙げられます。
- 信頼できるクリニックを選ぶ
- カウンセリングで仕上がりのイメージを共有する
- 適切な頻度で治療を受ける
ここでは上記3つのポイントについてそれぞれ解説します。
信頼できるクリニックを選ぶ
安全にボトックス注射を打ち続けるためには、実績があり適正量や部位を見極めてくれるクリニックを選ぶことが大切です。
信頼できるクリニックを選ぶときのチェックポイントは以下の通りです。
- 医師の実績
- ボトックス注射の症例
- ボトックス注射の口コミ
上記の情報をチェックし、信頼できる医師が在籍しているクリニックを選びましょう。
カウンセリングで仕上がりのイメージを共有する
ボトックス注射で失敗を防ぐためには、カウンセリングで仕上がりのイメージを共有することが大切です。
医師と患者さんで仕上がりのイメージを念入りにすり合わせておくことで、施術後に「思っていたのと違う」という状態になってしまうのを防げます。
ボトックス注射の効果や副作用など、不安な点や気になる点がある場合は、カウンセリングで聞いておきましょう。
適切な頻度で治療を受ける
ボトックス注射の効果は永続的ではないため、効果を持続させたい場合は適切な頻度で治療を受けることが大切です。
一般的には3〜6か月に1回の頻度で受ける場合が多いですが、治療部位や体質などによって個人差があるため、医師と相談して検討することをおすすめします。
まとめ
ボトックス注射は、打ち続けることによって人体に悪影響が出る心配は基本的にありません。
ただし、過度に注入すると筋肉の働きが阻害されてしまうケースがあるため、注入量には注意しましょう。
今泉スキンクリニックでもボトックス注射の施術を行っており、シワやエラ張り、たるみ、ワキガ・多汗症などのお悩みに対応可能です。
痛みが不安な方には麻酔クリームの使用も可能なため、気になる方はぜひ当院まで気軽にご相談ください。