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韓国製ボトックスとアラガン社製の違いとは?製剤の選び方とジェネリック医薬品の利用について

筋肉の緊張が原因のシワやエラ張りなどの治療に用いられるボトックスですが、「ボトックス」という名前は正確にはアメリカアラガン社が製造する「ボトックスビスタ」を指しています。

ボツリヌス菌が分泌するボツリヌストキシンを利用した美容薬剤としての固有の名称ではありません。

ボツリヌストキシン製剤を生産している企業は世界各国にあり、特に韓国のものが有名です。では、ボトックスの商標で有名なアメリカ・アラガン社製のボツリヌストキシン製剤と、韓国製の製剤にはどのような違いがあるのでしょうか。

この記事では、韓国製とアメリカ製を中心に各社が製造しているボツリヌストキシン製剤の違いについて解説しています。

ボトックス注射のアメリカ製と韓国製の違い

ボトックス 韓国製 アラガン 違い

アメリカ製と韓国製のボトックス、正確にはボツリヌストキシン製剤の効果には大きな違いはありません。

ボツリヌス菌由来の毒素を利用し、筋肉の緊張を解消してシワやエラ張り、頭痛やふくらはぎのスリムアップなどを治療するという仕組みは同じです。

アメリカ製と韓国製の製剤の違いについて解説します。

アメリカ・アラガン社製ボトックスの特徴

アメリカに拠点を置くアラガン社が製造する「ボトックスビスタ」は、2009年に日本国内で初めて厚生労働省が認可したボツリヌストキシン製剤です。

ボツリヌストキシン製剤における世界シェア一位の医薬品で、各国の多くのクリニックで使用されています。

日本では、厚生労働省を通じた公式流通経路で入手されたものを使っているクリニックがほとんどです、製品の品質や安全性が保証された薬品ということが大きな特徴です。

厚生労働省認可の降りた医薬品には以下の特性があります。

  • FDA(アメリカ食品医薬品局)の認定取得
  • 輸入する際は厚生労働省を経由して行われる
  • 製品に厳しい審査基準が設けられている
  • 国内流通数は無認可製品よりも少ない

FDAとは、アメリカにおける医薬品、医療機器、食品、化粧品の販売、流通における違反の取締を担当する機関です。

例えばアメリカから医薬品を輸出する際に、FDAの認可を受けなければ違法行為として取締の対象になります。

日本においては、アメリカから輸入する医薬品の品質を確認するために必要な認可であるとともに、日本から輸出される製品の安全性を検査する基準にもなっています。

つまり、アメリカ製ボトックスは輸出するにあたって厳しい品質検査基準をクリアしている必要があるということです。

したがって、不良品が販売される確率はごくわずかです。

イギリスのグラクソスミスクライン社も「ボトックス」という商品名の製剤を販売していますが、こちらはアラガン社から製法を継承して作られており、全く同じ成分で構成されています。

日本国内では「ボトックス」という薬品名のものはほとんどが「ボトックスビスタ」のことです。

韓国製ボトックスの特徴

韓国で製造されているボツリヌストキシン製剤は、MFDS(食品医薬品安全処、旧KFDA)によって認可されています

MFDSとは、韓国の行政機関であり韓国国内で製造される食品と医薬品の安全性確保と国際競争力の向上を目指して設立され、食品と医薬品に関する法整備などを管轄しています。

KFDA認証を受けているとは、韓国国内で製造される医薬品に対する独自の安全基準において、品質が保証された医薬品、食品、化粧品ということです。

2012年には、韓国における薬事法の中のMFDSの前身である「KFDA」に関わる規定が改正され、更に厳しい基準が義務付けられるようになりました。

具体的には、臨床試験を行う施設の指定管理者制度が設けられたり、医薬品の製造に関わる人材の定期的な教育を義務付けたりなどです。

したがって、2012年以降に生産された製品はそれ以前のものよりも安全性に対する信頼度が高くなっていることがメリットです。

アメリカと韓国の認証基準の比較

アメリカの安全検査基準と比較すると、韓国の方が認証にかかる期間が短い傾向にあります

韓国で新薬に対する安全性の認可がおりるまでに30〜80日かかるのに対し、アメリカでは最大で320日かかる場合があるからです。

韓国製の医薬品の品質が低いということではありません。しかし、アメリカの安全審査のほうがより慎重に検査を行う傾向にあるということです。

そのため、アメリカで製造されるボトックスは世界的に品質の高さや安全面に対して高い信用を獲得しています。

ボトックスに関しては以下の記事でも解説しています。参考にしてください。

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各社のボトックス製剤の違いとジェネリック医薬品について

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アメリカ、韓国を始めとした各国各社で製造されているボツリヌストキシン製剤の特徴について比較します。

それぞれの製剤にどのような違いがあるのでしょうか。また、一部の製剤は、他のボツリヌストキシン製剤のジェネリック医薬品として製造されているものもあります。

ジェネリック医薬品とは、新薬として販売が開始されてから一定の期間が過ぎ、特許が切れることで他者が同じ製法で同じ効能の薬を製造できるようになったものです。

新薬と同じ効果を得られる上に、企業の開発コストがかからないため価格を抑えられることがメリットです。

各社のボトックス製剤とジェネリック薬品としてのボトックスについて比較します。

ボツラックス

KFDA認可取得の韓国製ボツリヌストキシン製剤です。アラガン社のボトックスビスタのジェネリック医薬品でもあり、価格を抑えながら高品質なことが特徴です。

ボトックスビスタと同じ製法のため、ほぼ同じ効果を期待できます。1回の施術にかかる時間は20〜30分、広範囲に渡る施術には3回程度の治療が推奨されていることも同じです。

治療にかかる費用は、ボトックスビスタが最低8000円程度なのに対し、ボツラックスが最低4000円程度と費用対効果が良いことが魅力です

一部のクリニックではボツラックス注射当日から入浴可となっていることがありますが、

ボトックスは熱に弱く、通常注射から3日ほど入浴を避けなくてはいけません。

ボツラックスも成分はボトックスビスタと変わらないものです。念のため入浴や激しい運動は避けるようにしてください。

ナボタ

ナボタは韓国デウン社が製造している製剤で、韓国製ボトックスの中で唯一アメリカのFDA認証を取得しています。

デウン社独自の技術によって、98.7%という非常に高い純度のA型ボツリヌストキシン濃度を実現しました

A型ボツリヌストキシンには失活温度といって、成分が変性してしまう温度が高いことが特徴です。

そのため、常温で管理することができ、輸送や保管が簡易になるメリットがあります。

高品質でありながら価格帯は低めであり、続けやすく安全面への信頼も高いことが大きな特徴です。

イノトックス

イノトックスは、アラガン社が製造している液状のボトックス製剤です。一般的なボツリヌストキシン製剤は、粉末状で販売されており使用する際に生理食塩水に溶かすようになっています。

イノトックスが液体であることのメリットです。

  • 担当者によって溶液にする際の濃度の差などのミスが起こらない
  • 溶解させる際に雑菌が混入するリスクを避けられる
  • 安定化剤のヒト血清アルブミンや動物由来成分を配合していない

ヒト血清アルブミンや動物由来成分とは、ボトックス製剤の成分が変化するのを防ぐために添加される薬品です。

しかし、これらを配合した製剤から発熱、蕁麻疹、低血圧などの副作用が見られることが分かり、2000年代初頭から使用が避けられるようになりました。

イノトックスにはヒト血清アルブミンと動物由来のタンパク質が一切含まれておらず、安全性が重視された処方になっていることが特徴です。

ボコーチュア

過去にゼオミンという商品名で販売されていたボツリヌストキシン製剤です。ドイツのメルツ社で製造されており、アメリカFDAと韓国MFDSから認証を得ています。

ボツリヌストキシンそのものはタンパク質からできていますが、製剤にされる際アセチルコリン阻害成分のみが抽出されます。

しかし、製剤の中にはタンパク質をある程度含んだものもあります。タンパク質は体内で抗体が作られてしまうことがあり、効果を小さくしてしまう要因となります。

ボコーチュアはタンパク質を完全に除去した製剤であり、他のボトックス製剤のように熱で変性するリスクがないことが特徴です

どのメーカーの製剤を選んだらいいのか

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アメリカ、韓国、ドイツなど各国で製造されているボツリヌストキシン製剤は、治療効果や適用できる部位に対する違いがほとんどありません。

そこで、どのメーカーの製品を選ぶかどうかには価格、製剤の形態、製法の違いによる含有物に注目するといいでしょう

ボトックス注射は、半永久的な効果がある治療法ではありません。一定期間を置いて治療を繰り返す必要があるため、費用を抑えたい方はジェネリック医薬品を選ぶのがおすすめです。

細菌感染のリスクを減らしたいと考えている方には液体の製剤、抗体ができることを防ぎたい方はタンパク質を含まない製剤を扱っているクリニックを選ぶようにしてください。

まとめ

アメリカ製、韓国製のボトックス製剤の比較を中心に、各国で製造されている製剤の特徴について解説しました。

ボトックスを医療や美容治療に利用することは、長い歴史があり一部の薬剤は特許が切れてジェネリック医薬品が製造されています。

そのため、同じ効果を持っていても低価格で利用できるものがありコストパフォーマンスを重視する方におすすめです。

今泉スキンクリニックでは、アメリカ製のボトックスビスタと韓国製のナボタを取り扱っています

いずれもアメリカFDA認証を受けた安全性の高い製品であり、スタッフの治療技術の向上にも常に気を配っています。

安全にボトックスの治療を受けたいと考えている方は、ぜひお気軽にご相談ください。