
美容施術での注射には『cc』や『mg』などで表されることが多いですが、ボトックス注射は『単位』で表されます。
ボトックス注射の目安単位は部位によって異なるため、部位に適した単位数で施術を行うことが大切です。
この記事では、ボトックス注射の単位について詳しく解説します。
部位ごとの目安や適切な単位数の判断方法、ボトックス注射の効果をきちんと得るためのポイントなどもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。
ボトックス注射の『単位』とは

ボトックス注射に使用する薬剤の量は『単位』で表されます。
ボトックス注射は粉末状の製剤を生理食塩水に溶かして注入しますが、単にccと表記するだけでは液体中にどれだけの量の製剤が含まれているかがわかりません。そのため、「単位」で表して必要量を調整しているのです。
また、使用する製剤の種類によってもその希釈濃度が異なります。
多くのクリニックで使用されているアラガン社の『ボトックスビスタ』の場合は、1ccあたり40単位での希釈が推奨されています。
希釈濃度はクリニックによって異なるため、気になる場合はカウンセリングの際に確認してみるとよいでしょう。
ボトックス注射の部位別の目安単位数

ボトックス注射の単位数は部位によって目安が異なります。
- 額:8〜20単位
- 目尻・目の下:12〜24単位
- エラ:両側50~100単位
- バニーライン:5~10単位
- ほうれい線:20~30単位
- 口元:10~30単位
- 顎:8~10単位
- ガミースマイル:10~20単位
- 肩:両側50〜100単位
- ワキ:片側10~50単位
- 脚・ふくらはぎ:20~120単位
ここでは各部位の目安単位数についてそれぞれ解説しましょう。
額:8〜20単位
額のボトックス注射の目安単位数は8〜20単位です。
額にボトックス注射をすることによって、額のシワが目立ちにくくなる効果が期待できます。
額にできるシワは、眉毛を上下させる前頭筋の働きによってできるものです。
この前頭筋にボトックスを打つことで筋肉の収縮を緩和させ、額にシワが寄りにくくなるのです。
また額にできるシワは加齢とともに徐々に深くなっていき、溝が深くなるほどボトックス注射では改善が難しくなってしまいます。
ボトックス注射で額のシワを改善したい場合は、なるべく早めに治療を検討しましょう。
目尻・目の下:12〜24単位
目尻・目の下のボトックス注射の目安単位数は12〜24単位です。
目尻・目の下は顔の中でも特に表情ジワができやすい部位ですが、ボトックス注射で目立ちにくくできます。
この部位の表情ジワは、主に眼輪筋という筋肉の働きが原因です。
眼輪筋はまぶたを開閉するときに使われる筋肉で、この筋肉によって皮膚が引っ張られると目元にシワができます。
ボトックス注射でこの筋肉の働きを緩和させることで、目尻・目の下にできる表情ジワを改善することが可能です。
また注入する部位や注入量を調整することで、吊り目を改善したり目を大きくしたりすることもできます。
エラ:両側50~100単位
エラのボトックス注射の目安単位数は両側で50〜100単位です。
エラにボトックス注射をすることにより、エラ張りを改善できます。
エラが張って目立ってしまう主な原因として、無意識の食いしばりや歯ぎしりによって咬筋が発達することが挙げられます。
咬筋が発達するとエラが張り、顔が大きく見えることがあるため、コンプレックスを抱く人も少なくありません。
ボトックス注射で咬筋の働きを緩めることでエラの張りが改善され、顔の輪郭がスッキリとした印象になります。
バニーライン:5~10単位
バニーラインのボトックス注射の目安単位数は5〜10単位です。
バニーラインは眉間や目頭から鼻の根元にかけてできる表情ジワの一種で、笑ったり顔をしかめたときにできます。
加齢に伴って徐々にシワが深くなっていき、不機嫌そうな印象や老けた印象を与える原因となります。
バニーラインにボトックスを打つことでシワを改善し、見た目の印象も大きく変えることが可能です。
ほうれい線:20~30単位
ほうれい線のボトックス注射の目安単位数は20〜30単位です。
筋肉の発達によってできるほうれい線の場合、ボトックス注射によって筋肉の働きを緩めることで、ほうれい線を目立たなくさせることができます。
ただし筋肉による影響ではなく、老化に伴う肌のハリツヤや皮下脂肪の低下が原因でできたほうれい線の場合、ボトックス注射では効果が見込めない場合もあるため注意が必要です。
筋肉の働きが原因でない場合は、ほかの治療方法を検討する必要があるでしょう。
自分のほうれい線の原因を突き止めた上で、自分に適した治療方法を選択することが大切です。
口元:10~30単位
口元のボトックス注射の目安単位数は10〜30単位です。
口元にできるシワは、口輪筋という筋肉の働きによって生まれます。
この口輪筋にボトックスを打つことにより、筋肉の働きを緩め、シワの改善効果が期待できます。
また口角下制筋という口角を下げる筋肉にボトックス注射をすることで、口角が自然に引きあがり、若々しい印象にすることも可能です。
顎:8~10単位
顎のボトックス注射の目安単位数は8~10単位です。
顎には顎先から下唇に伸びるオトガイ筋という筋肉の影響で複数のシワができることがあり、その見た目から『梅干しジワ』とも呼ばれます。
オトガイ筋にボトックス注射をすることで筋肉の収縮を緩め、シワが目立ちにくくなる効果が期待できます。
ただし脂肪や皮膚のたるみによってシワができている場合、ボトックス注射では効果が得られない可能性もあるため注意が必要です。
ガミースマイル:10~20単位
ガミースマイルのボトックス注射の目安単位数は10〜20単位です。
ガミースマイルは笑ったときに歯茎が過剰に露出する状態のことで、歯茎や歯の大きさ、歯並び、口元の筋肉が原因で起こります。
上唇を上げる上唇挙筋の働きが強すぎるせいでガミースマイルが生じている場合は、ボトックス注射により症状を改善することが可能です。
またボトックス注射の効果は永続的ではないため、治療後の状態を維持するためには定期的に治療を受ける必要があります。
肩:両側50〜100単位
肩のボトックス注射の目安単位数は両側で50〜100単位です。
肩へのボトックス注射は、肩こりで悩んでいる場合に効果的な治療となります。
ボトックス注射の効果によって筋肉の働きを緩めることで、肩こりの原因となっている筋肉の緊張状態を改善することができるのです。
原因の根本的な改善ができるため、慢性的な肩こりに悩んでいる方は検討してみるとよいでしょう。
ワキ:片側10~50単位
ワキのボトックス注射の目安単位数は片側10〜50単位です。ボトックス注射は多汗症やワキガの治療にも適しています。
ワキにボトックスを打つことにより、汗の分泌量を減少させることが可能です。
汗の分泌量が減少することで、汗ジミや匂いなどのお悩みも改善できる可能性があります。
脚・ふくらはぎ:20~120単位
脚・ふくらはぎのボトックス注射の目安単位数は20〜120単位です。
ふくらはぎの筋肉はヒールの着用やスポーツなどによって鍛えられ、徐々に太くなっていきます。
発達した筋肉が気になる場合は、ボトックス注射をすることで筋肉の働きを弱め、徐々に細くすることが可能です。
治療に必要となる単位数は治療範囲によって異なるため、医師と相談しましょう。
ボトックス注射の適切な単位数は患者ごとに異なる

ボトックス注射の部位別目安単位数を解説しましたが、適切な単位数は患者ごとに異なります。
そのため、人によっては上記に解説した目安数よりも多くなったり少なくなったりする場合があります。
適切な単位数の判断にはカウンセリングが重要
ボトックス注射の適切な単位数を判断するためには、カウンセリングが重要になります。
同じ部位へのボトックス注射でも、筋肉や脂肪のつき方、骨格、治療範囲などによって適切な注入量が異なるためです。
納得できる仕上がりにするためにも、事前のカウンセリングを丁寧に行っているクリニックを選ぶことが大切です。
ボトックスの種類によっても適切な単位数が異なる?
ボトックス注射に使用される製剤にはさまざまな種類がありますが、単位や効果に大きな違いはないといわれており、基本的には種類や品質、値段などの違いと考えてよいでしょう。
代表的な製剤はアメリカのアラガン社の『ボトックスビスタ』で、FDA(米国食品医薬品局)により安全性が認められている特徴があります。
この他にも、韓国製のボツリヌストキシン製剤の『NABOTA(ナボタ)』などいくつかの種類があるため、クリニックで扱っている製剤が複数ある場合、効果や安全性、品質などを理解したうえで比較検討してみるとよいでしょう。
ボトックス注射の効果をきちんと得るためのポイント

ボトックス注射の効果をきちんと得るためのポイントは3つあります。
- 適切な頻度でボトックスを注入する
- 適切な単位でボトックスを注入する
- 施術後の注意点を守る
ここでは上記3つのポイントについてそれぞれ解説します。
適切な頻度でボトックスを注入する
ボトックス注射の効果を得るためには、適切な頻度で施術を受けることが大切です。
ボトックス注射の効果は永続的ではなく、一定の期間で徐々に効果が消えて元の状態に戻っていきます。
治療後の状態を維持したい場合は、治療部位や注入量、体質を考慮して適切な頻度でボトックスを注入する必要があります。
一般的には3〜6か月に一度のペースで施術を受けるのが理想とされていますが、どの程度で効果が消えていくかは個人差があるため、医師と相談のうえで施術頻度を検討するとよいでしょう。
適切な単位でボトックスを注入する
ボトックス注射は注入量が多ければ多いほど良いわけではありません。
過剰に注入してしまうと表情が硬くなったり筋肉が動きにくくなってしまったりする恐れもあるため、適切な単位数を守りましょう。
適切な単位数を判断するためには医師の技量や経験が重要になるため、ボトックス注射の経験や実績が豊富な医師が在籍するクリニックを選ぶことをおすすめします。
施術後の注意点を守る
ボトックス注射の効果を得るためには、施術後の注意点を守ることも大切です。
施術後に行ってはいけないこととして、以下が挙げられます。
- 飲酒
- 入浴・サウナ
- 激しい運動
- 患部のマッサージ
上記の行動は薬剤が患部周辺に広がってしまったり、施術後の内出血や赤みなどの症状を長引かせたりする原因となってしまいます。
施術後に予期せぬトラブルが起こる可能性も考え、アフターケア体制が整っているクリニックを選ぶとよいでしょう。
まとめ
ボトックス注射では、『単位』によって薬剤の量が表されます。
ボトックス注射の適切な単位数は、額の場合は8~20単位、目尻・目の下の場合は12~24単位というように、部位によって目安が異なるため注意が必要です。
過剰にボトックス製剤を注入してしまうと、表情が硬くなったり筋肉が動きにくくなってしまったりする原因にもなります。
このような事態を防ぐために、ボトックス注射の経験や実績が豊富で信頼できるクリニックを選びましょう。
今泉スキンクリニックでは、FDA(アメリカ食品医薬品局)によって認可されている『ボトックスビスタ』や韓国製の『NABOTA(ナボタ)』を使用したボトックス注射を行っています。
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