加齢とともに深く目立ってしまうほうれい線を改善したいと考えている人は多いでしょう。
そこで、シワやたるみの改善が期待できる施術としてボトックス注射を検討している人もいるかもしれません。
しかし、すべてのほうれい線に対してボトックス注射が効果を発揮してくれるわけではありません。
ほうれい線の種類によってはボトックス注射の効果が、十分に感じられない可能性がある点を知っておいてください。
この記事では、ほうれい線ボトックスの特徴や知っておくとよいデメリット、向いている人などについて紹介します。
ほうれい線が気になっている人、ボトックス注射を受けようと思っている人はぜひ最後までご覧ください。
ほうれい線ボトックスの特徴
そもそもボトックス注射とは、ボツリヌス菌の毒素を使用して筋肉をリラックスさせることで、シワやたるみを改善する施術です。
メスを使用せず、気になる部分に注射を使って薬剤を注入するだけなので、ダウンタイムや副作用が少なく、気軽にできる人気の施術となっています。
ほうれい線とシワの違い
ほうれい線=シワと思っている人は間違いです。
ほうれい線とは、小鼻から口の両側にあるもので正確にはシワではなく溝であり、ほうれい線の正式名称は「鼻唇溝(びしんこう)」です。
だいたい30代以降から気になるようになり、加齢と共にどんどん深くなっていきます。
ただ、ほうれい線は骨格や筋肉の付き方で出てくる溝でもあるため、子どもや若者でもほうれい線はあります。
一方でシワとは、肌のコラーゲンやエラスチンなどのハリ成分が減少するなどの原因で皮膚がよれてできたものです。
シワとは違い、ほうれい線は筋肉の動きが関係しているわけではないため、筋肉をリラックスさせてシワなどを改善するボトックス注射が必ず効果を発揮するわけではありません。
効果を得られても、ほうれい線を消失させるのは難しいでしょう。
期待できる効果
ボトックス注射でほうれい線を消失させるのは難しいとお伝えしましたが、まったく効果が期待できないわけではありません。
ほうれい線へのボトックス注射は、以下のような効果が期待できます。
- 笑ったときの表情が左右非対称な場合の改善
- ほうれい線が目立ちにくくなる
- ほうれい線悪化の防止 など
しかし、ほうれい線には原因別にいくつかの種類があり、原因によってボトックス注射が効果的かどうかが分かります。
次に、ほうれい線ボトックスに最適なほうれい線の種類について紹介します。
自分のほうれい線は何に当たるのか、当てはめて考えてみましょう。
ほうれい線ボトックスに最適なほうれい線の種類
まず、ほうれい線には大きく4つの種類があります。
- 皮膚たるみ型:皮膚のたるみが原因
- 筋肉型:表情筋の過剰発達が原因
- 骨くぼみ型:小鼻周辺の骨が原因
- 混合型:原因が複数重なっている
皮膚たるみ型は、ほうれい線のなかでも多いもので仰向けの状態でほうれい線が目立たなくなるとこちらです。
筋肉型は、仰向けになってもほうれい線が薄くならず、笑った際にほうれい線が深くなります。
骨くぼみ型は、日本人を含むアジア系に多く仰向けになっても、表情の変化があってもほうれい線に変化はありません。
また、ほうれい線の上がくぼんでいる場合はこちらです。
混合型は、複数の要因が重なってできるほうれい線であり、若い人よりも30代以降の人に多いです。
それらのほうれい線のなかで、ほうれい線ボトックスに最適なほうれい線の種類は「筋肉型」になります。
筋肉型以外のほうれい線の場合は、十分な効果が期待できないため、フェイスリフトやレーザー、ヒアルロン酸注入など他の施術を検討してみましょう。
ほうれい線ボトックスの知っておくとよいデメリット
ほうれい線ボトックスには、ほうれい線の改善や悪化予防、注射を使用することためダウンタイムや副作用が軽いなどさまざまな効果やメリットがあります。
しかし、施術を受ける際には必ずデメリット面も知っておきましょう。
ほうれい線ボトックスを受ける際に考えられるデメリットは大きく5つです。
- 効果は有限である
- ダウンタイムや副作用がある
- ほうれい線の種類によっては効果が期待できない
- ほうれい線が深くなってしまう
- うまく表情が動かなくなる
それでは、それぞれ詳しく見ていきましょう。
効果は有限である
これは、ほうれい線ボトックスだけではなく他の部位にボトックス注射をする場合でも同様のデメリットです。
ボトックス注射の効果は永久的に続くものではありません。
効果がどの程度持続するかは、注入量や体質などで多少差は出ますが、おおよそ3〜4ヶ月で効果が消失する場合が殆どです。
そのため、再度ボトックスの効果を得るためには、効果が切れる前のタイミングでボトックス注射を続ける必要があります。
そのたびに、施術費用や施術するための時間、施術後のダウンタイムなどが必要になります。
ダウンタイムや副作用がある
ボトックス注射はダウンタイムや副作用は軽いといわれています。
しかし、ダウンタイムや副作用がまったくないわけではりません。ただし、ダウンタイムの期間は1週間程度で治まる場合が多いです。
ダウンタイムが治まるまでの1週間程度は、注意したほうがよい行動があるため多少の不便を感じるかもしれません。
ダウンタイムの期間は以下のような副作用が生じる可能性があります。
- 注射部の赤みや腫れ
- 内出血
- 痛み
- 表情が不自然になる
- 笑顔に違和感がある など
ダウンタイムがどれ程続くか、副作用が重いかどうかには、施術後の過ごし方も影響します。
ダウンタイムや副作用を小さく抑えたい場合、施術は血行が良くなるような行動(長時間の入浴や飲酒・激しい運動など)や注射痕をこするなどは避けるようにしましょう。
ほうれい線の種類によっては効果が期待できない
先程「ほうれい線ボトックスに最適なほうれい線の種類」でも触れましたが、ほうれい線には原因別に4つの種類があります。
筋肉型のほうれい線であれば、ボトックス注射は効果が期待できます。
しかし、筋肉型以外のほうれい線の場合は、ボトックス注射をしても効果が期待できない可能性が高いです。
どの種類のほうれい線でも効果があるのは、ヒアルロン酸注入です。
ヒアルロン酸注入であれば、どの種類のほうれい線であっても効果が期待できます。
ほうれい線の種類の見分けは、自己判断では難しいため、カウンセリングの際に医師に判断してもらいましょう。
確実にほうれい線を改善したいのであれば、ボトックス注射ではなくヒアルロン酸注射を選択するのも1つの方法です。
ほうれい線へのヒアルロン酸注入については、こちらの記事もご覧ください。
ヒアルロン酸はほうれい線に効果あり?3つのメリットや後悔しないための注意点も紹介
ほうれい線が深くなってしまう
ほうれい線の種類が皮膚のたるみ型や皮膚のたるみ型を含む混合型だった場合、ほうれい線がより深くなってしまう可能性があります。
ボトックス注射は、筋肉をリラックスさせてシワなどを改善するため、頬の筋肉がリラックスして緩むと周辺の皮膚が余計にたるんでしまうためです。
仮にボトックス注射をしてほうれい線が深くなってしまったとしても、ボトックス注射の効果は3〜4ヶ月で消失します。
万が一ほうれい線が深くなってしまっても慌てず、効果が消失するのを待ちましょう。
うまく表情が動かなくなる可能性がある
ボトックス注射をする場所を間違えたり、注入量が多すぎたりするとほうれい線とは関係ない筋肉まで緩んでしまい、表情が動かなくなったり動きにくくなったりします。
また施術後、注射痕や頬を頻繁に触ったりマッサージをしたりしても想定外の場所にまで薬剤が広がってしまう可能性があります。
こちらも、ボトックス注射の効果は一時的な物のため3〜4ヶ月でまた表情も動くようになるでしょう。
不安な場合は、施術を受けたクリニックに連絡してください。
このデメリットを避けるためには、正しい場所に正しい量のボトックスを注入できる医師がいるクリニックで施術を受けるようにしましょう。
公式サイトの実績や口コミがしっかりとしているクリニックを選んでください。
ほうれい線ボトックスに向いている人の特徴
ほうれい線の種類によっては、効果が期待できないほうれい線ボトックスですが、ほうれい線ボトックスが向いている人もいます。
ここでは、ほうれい線ボトックスが向いている人の特長を2つ紹介します。
- 笑った際にほうれい線が気になる
- ほうれい線が左右対称ではない
それでは、それぞれくわしく見ていきましょう。
笑った際にほうれい線が気になる
笑うなど表情を変えた際にほうれい線が気になる場合は、筋肉の動きによるほうれい線のため、筋肉をリラックスさせるボトックス注射が効果的です。
また筋肉の動きによるほうれい線は放置していると、跡が付きより深くハッキリとしてくる可能性があります。
シワの進行を食い止めたいと考えている人にも効果的です。
ほうれい線が左右対称ではない
かみ合わせや咀嚼の癖によって、頬の左右の筋肉の発達具合に差が生まれほうれい線に左右差が生まれる場合があります。
この場合も、筋肉が原因のほうれい線のため、ボトックス注射が効果的です。
ほうれい線を左右対称にするため、左右でボトックスの注入量を変える必要があり、慎重な施術が必要になるためクリニック選びは慎重に行いましょう。
ほうれい線ボトックスの料金目安
ほうれい線ボトックスだけではなく、ボトックス注射は使用する薬剤の種類、量などによってクリニック毎に大きく変動しますがほうれい線などの口回りの場合1〜5万円が目安です。
同じボトックス注射でも目元や額などは注入量が少ないため、4,000円〜となっている場合が多いです。
逆に、ふくらはぎや多汗症改善のためのボトックス注射の場合は注入量や範囲が多いため15,000円以上かかります。
また、痛みが苦手だから麻酔クリームなどを使用してほしい、ダウンタイムが短くなるように特殊な針を使用してほしいなどのオプションの有無でも料金は変動します。
ただ、ほうれい線ボトックスを含む殆どのボトックス注射では、自由診療にあたるため健康保険が使用できない点は知っておきましょう。
安すぎる場合は、技術が不十分な医師が施術に当たる可能性があります。
安い場合は、なぜ安いのか、技術面に不安はないのかなどを必ず確認しておきましょう。
まとめ
この記事では、ほうれい線ボトックスの特徴や知っておくとよいデメリット、向いている人などについて紹介しました。
ほうれい線とはシワとは違うため、ほうれい線の原因によってはボトックス注射の効果が得られない可能性があります。
ボトックス注射が効果的なのは、筋肉型のほうれい線ですが、どのほうれい線にも効果的な施術にはヒアルロン酸注射もあるため、こちらを検討してもよいでしょう。
今泉スキンケアクリニックの院長は、国内外のドクターと情報交換を行い、常に最新の情報と技術の提供に努めているボトックスを知り尽くした医師の1人です。
また、日本の注入治療技術向上のため「認定指導医」として全国で技術指導も行っています。
そのため、ボトックス注射だけではなく、ヒアルロン酸注射を検討している人でも安心して施術を受けられるでしょう。
ボトックスやヒアルロン酸注射時の痛みが不安であれば麻酔クリームも無料で使用できます。
気になる人は、ぜひカウンセリングの際に相談してみましょう。