当コラムではこれまで、シワの原因や、健康とシワの関係、スキンケア方法などについてさまざまなことをお伝えしてきました。
今回はこれまでの復習を兼ねて、健康的にシワのない自分自身になるためのメソッドをお伝えします。
アイクリームは眉上まで
「どこのシワが気になりますか?」
とお聞きすると、一番多くあるのが
「ほうれい線」と、「目元」。
目元で印象の8割が決まると言われるように、口以上に物を言う目元は気になるものですよね。
アイメイクも、土台となる肌がどういう状態かによって、仕上がりの完成度や目ヂカラがまったく変わってしまいます。
目元は皮膚が薄い分、シワやクマなど、さまざまなトラブルが出やすい場所ですから、全顔用のクリームを塗るだけではやっぱり不十分。目元専用のアイテムである、アイクリームでしっかりお手入れする必要があります。
ではここで、アイケアに関する注意点を二つ。
一つ目は、なじませる向きを間違えないこと。
そしてもう一つが、眉上までつけることです。
顔の上半分は、ほとんどが下に向かって下げる筋肉なんです。
グイッと上に向けて上げてくれるのは、眉上の筋肉だけ。
それを知らず、向きを間違えてマッサージしている方!眉間の〝下げ力″を鍛えてしまっていますよ!
顔筋の力を活かして若々しい目元を保つため、アイクリームは正しい方向に、眉上までグルリとやさしく螺旋を描くようになじませましょう。
「マッサージは面倒」と言う方も多いですが、どうせアイクリームをつけるついでなら、手間もほとんど一緒ですよね?
以下の図のように、くるりと螺旋を描くようにつけてください。
下の図で、矢印のついた線が顔筋の動く向き。
顔の上半分の、ほとんどが「下げる筋肉」。
眉上のお手入れがポイントなんです!
肌の自然な生まれ変わりをサポート
保湿ケアはすべての美肌ケアの基本です。けれど、ある程度年齢サインが進行した肌には、それだけではない、もう一つ上のケアが必要になるんです。
そのキーワードはズバリ、「肌の生まれ変わり」。
肌の角質層の奥では、毎日、新しく若々しい肌細胞が生まれています。
若く健康な肌であれば、新しく生まれた細胞は約28日の時間をかけて徐々に肌表面に押し上げられ、最終的に古い角質となって剥がれ落ちていきます。
これがいわゆる、ターンオーバーサイクル。
このサイクルが、年齢を重ねた肌においては40日以上になることもあります。本来ならばスムーズに肌表面へと押し上げられるべき古い細胞が、必要以上に長く肌にとどまってしまうとどうなるか。
ずばり、乾燥などのダメージや、年齢サインへの抵抗力が弱まってしまうんです。
また、古い細胞がとどまることで、肌がせっかく本来持っている、「若々しい肌への生まれ変わり」を妨げてしまうことにもなります。
〝年齢を重ねたら″というけれど、いったい何歳ぐらいから、こうした肌変化は起こるのでしょう。
その答えもやっぱり、シワにありました。
表情ジワができ始めたら、
保湿ケアだけでは足りなくなっているよ、
という肌のサイン。
保湿ケアはもちろんだけど、それよりワンランク上の、「肌の生まれ変わり」を視野に入れたスキンケアを始めましょう。
そんなスキンケアの強い味方になってくれるのが、「ペプチド」という成分です。
それは、若々しい肌を保つために欠かせない成分。
「ペプチド」とはアミノ酸の結合体で、数えきれないほどの種類があるんです。ここで言うのは、肌の生まれ変わりを助けてくれる「ペプチド」のことですね。
私が米国で医療に携わっていた頃に出会ったやけど跡の治療クリームにも、厳選されたペプチドが配合されていました。このクリームを使うと、やけど跡が目立たなくなるだけでなく、肌にハリが出ると、患者さんたちがすごく喜んでいらしたのを何度も目にしました。
それを見るたび、「肌の生まれ変わり」が上手くいかなくなった肌に、ペプチドがどれだけ大きなはたらきをするのかということを痛感したものです。
もちろん、医薬品と化粧品は役割が異なりますので、配合するペプチドが異なってしまうのは当然のこと。
でも、その研究がノーベル賞を受賞した成分EGF(ヒトオリゴペプチド-1)や、たるみにも働きかけるアセチルテトラペプチド-5、アセチルヘキサペプチド-8など、かなり高い効果が期待できるペプチドも、化粧品に配合することができるのです。
当然、これらの成分が入ったアイテムは、「肌の生まれ変わり」を目的とするお手入れに役立つことでしょう。
肌がきちんと生まれ変わり、若々しい肌が押しあがってくるようにするためには、良く眠る、野菜類を含むバランスのとれた食事をとる、身体を冷やさないなど、生活面でのケアも大切です。
それにプラスして、毎日行っているスキンケアにも、ペプチドの力を取り入れてみてはいかがでしょう。
きっと肌はじっくり、そしてゆっくりと、変わっていくことでしょう。
バランスの良い食事は美肌の源
3大栄養素であるビタミン、ミネラル、脂質に、糖質、タンパク質をくわえたものを5大栄養素といいます。
それに腸内環境を整える食物繊維を足したものが、おもな栄養素ですね。
でも美肌に必要なものがもうひとつあるんです。それが、第七の栄養素ともいわれるファイトケミカル。
果物や野菜に含まれるファイトケミカルには、老化の最大の原因ともいわれる〝活性酸素″を除去する働きがあることで知られています。ほかにも、白血球を活性化して免疫力を高めたり、花粉症などのアレルギー対策にも役立つとされ、近年とても注目されている栄養素なんです。
野菜や果物の色素に含まれていることが多いので、色別に覚えておくといいでしょう。
赤のファイトケミカルは、トマトやスイカに含まれるリコピンですね。そして、パプリカや唐辛子に含まれるカプサイシンも、サプリなどでよく名前を聞いたことがあるんじゃないでしょうか。
オレンジは、かぼちゃやにんじん、みかんに含まれるプロビタミンAや、パパイヤ、マンゴーに含まれるゼアキサンチンです。
黄色は玉ねぎ、レモンなど、柑橘系に多いフラボノイド。
トウモロコシやゴールデンキウイ、かぼちゃに多いのが、ルテインです。
緑はもっとも身近なファイトケミカルかもしれません。クロロフィルは、モロヘイヤ、ブロッコリー、オクラなどの緑の食材に多く含まれていますから。
そして紫は、ナス、赤紫蘇、紫キャベツ、ブルーベリーやラズベリーなどのベリー類、そして黒豆に多いアントシアニンがもっとも有名でしょうか。
黒は、ゴボウ、ジャガイモ、バナナ、リンゴ、ナスに多いクロロゲン酸。
緑茶や柿、ワインに含まれるカテキンも黒のファイトケミカルの一種ですね。
白は、キャベツ、大根、わさびに含まれているイソチオシアネート。
ネギや玉ねぎ、にんにく、ニラなどのニオイの強い食材に多いのが、硫化アリルです。
これら七色のファイトケミカルを意識して摂取すると、老化の大敵である活性酸素を日々、退治することができます。
小じわのないハリ肌はもちろん、色つやの美しい、化粧ノリのいい肌にも、これらの栄養素は欠かせません。
彩り豊かな食材で、体の中からアンチエイジングするのが、シワなし美人への近道なんですね。
まとめ
「目」は顔のパーツの中でも印象が強く残る部分だと思います。コミュニケーションをとる時にも必ず「目」を見ますから、とても気になる部分ですね。そんな目元に対するアイクリームの使い方、正しくできていましたか?目の周りだけなく眉の上まで塗りながらマッサージするのが、ポイントなんです。マッサージをする際は、筋肉の方向に気を付けて優しく行ってくださいね。これをきちんと守ってケアしていれば、シワはできにくくなるはずです。
そして、近年は色々な研究が進み、身体に良いとされる成分や栄養素が次々と発見されています。肌の変化が起こり始めたら、保湿ケアだけでなく、美肌に良いとされる成分「ペプチド」を含んだアイテムを、積極的に取り入れましょう。今までのスキンケアをワンランクアップさせると「肌の生まれ変わり」がスムーズに行われるようになります。
さまざまな食材をバランスよく食べることで、美肌効果のある成分や栄養素の助けを借りながら、健康的で「年齢よりも若々しい肌」を目指しましょう!